内観の効果

ウェルビーイング

内観をすると生かされている喜びを感じ、感謝報恩の気持ちになります。それはウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)という言葉に置き換えることができます。集中内観後はウェルビーイングが向上するという結果が示されています。こころのバランスを調整できる力が高まり、生きることが楽になります。

終末期ケアに支えられたガン患者の内観-家族の視点より-

内観は、自己と他者の関係性を回想することで自己洞察を導く日本独自の心理的技法である。回想のテーマは、「(相手から)してもらったこと」「(相手に)して返したこと」「(相手に)迷惑をかけたこと」の三項目である。7日間の集中内観を行うことで、周囲の人々からの愛情を感じ、また周囲の人々に対して迷惑をかけていたことへの罪責感が生まれ、自己中心性から脱却することが促される1)。その内観を深めるには「死」を問い詰めてするものだと内観の創始者吉本はその本質を述べたが、求道を続けたがMは極めることはできなかった。Мは末期癌の告知を受ける前の死生観テストを手がかりに、終末期ケアに支えられながら死と対峙した経過を概観する。Мが永眠するまでの経過は、自伝『南無癌大菩薩』に筆者らはまとめた。次に、これまで癌末期に内観の可能性を示唆した文献は見当たらないため、Мが緩和病棟に入院し、癌性疼痛の中でのどのような内観をしたのか考えたいと思った。 本研究では、内観を求道の対象としたMの死の受容や人生の意味づけを探る。これにより終末期における内観求道者の心理的展開について理解を深め、緩和ケアに助けられて安らかに最期を迎える指針となることも目的としている。