北陸内観研修所
活動報告

新聞掲載記事【長女をライバル視する次女に、どう向き合えば?】

北日本新聞 よろずご指南 生き方アドバイス

2019年2月27日(水)北日本新聞朝刊11面掲載

専門家が読者の相談に回答する新聞のコーナーです。
今回の相談は、70代女性から。
長女をライバル視している30代の次女が、長女の批判を繰り返すというお悩みです。
女性は娘2人とも大切に想っているため、次女とどのように向き合えばよいかと、相談を寄せられました。

所長の長島が回答させて頂きました。

回答『母への甘え 受け止めて』

 こんにちは。今日の相談は、前回の「娘が昔のことを持ち出して、母親を非難する」という相談内容と同じように、家族内でのお悩み相談です。これは、「姉妹の間柄」と「母子の間柄」の二つの関係性の糸が絡まっているので、前回よりワンランク複雑になっています。

 まず、お悩みの整理をしましょう。親にとっては、子どもはどの子も愛しい我が子。ほとんどのお母さんは「兄弟比較などしていない」と思っています。相談者も「2人とも大切な娘で、愛情に差はありません」と断言されています。温かな母子の一コマが目に見えるようです。仕事から戻られた娘さんを、心からのねぎらいの言葉として「お帰りなさい」と声掛けしているような場面です。娘さんも老いていくお母さんに対し、孝に報いようとされていると想像します。つまり母と娘の問題はさほどなしと、お母さんは捉えておられます。

 次は、相談の焦点です。姉妹の間柄の悩みをお母さんは訴えられています。
 次女さんが、長女を子どもの時から批判していることからうかがうと、姉妹関係は内面的には面白くなさそうです。そのうえ公務員の長女が昇進したことが、次女さんを怒らせることに拍車をかけました。つまり次女さんは長女に嫉妬をしているのです。
ところで兄弟間・姉妹間におけるお母さんの取り合いは、一般的なことです。さらに30代であろうが40代であろうが年齢に関係なく、子どもは母親を目の前にすると甘えたくなります。

 子どもの頃を思い出してください。子どもはお母さんに構って欲しくって、あの手、この手と注意を引こうとします。次女さんの怒りは「甘え」であり、それを十分に受け止めつつ、次女さんが何かのきっかけを掴むことができれば変化する可能性があります。
 注意点は、「長女に後ろめたさを感じること」を長女に愚痴らないことです。相談内容では、長女は次女さんをどのように思っているかは分かりませんが、長女に次女さんへの悪い感情を植え付けると、より複雑になります。
 
 最後に、次女さんとの向き合い方について考えてみましょう。次女さんは、冷静な時は、自分の態度がお母さんを苦しめていると分かっていると思います。理屈では分かっていても、止められない自分が居るのです。ですからそんな時、子どもの時にしたように、次女さんを優しく抱きしめてあげたらいかがでしょうか。お母さんの直接的な愛情によって、次女さんのかたくなな心はとろけるような感覚を味あうでしょう。

お読み頂きましてありがとうございました。
内観に関してご質問などございましたらお気軽にご連絡ください。
お問い合わせはこちら

 

ARCHIVES

TEL 076-483-0715
9:00〜18:00 (不定休)